【very, quite, rather, pretty, fairly】「とても」を表す英語の違い

「とても、かなり」といった程度を表す英単語はいくつもあります。【very, quite, rather, pretty, fairly】といった単語についてどのような違いがあるのか調べました。

quite は fairly より少し強め。rather は quite より少し強め。
pretty は rather と同じくらいの程度でインフォーマルな表現。so や really もカジュアルな「とても」の表現。
rather は否定的なニュアンスがあり、fairly は肯定的なニュアンスがある。

【参考】 Oxford Advanced Learner's Dictionary

very の程度は一番強いと考えて良さそうです。

ここから very を除いた程度の強さ順は【pretty/rather > quite > fairly】なんだと思ったのですが、HiNative の質問回答を見てみると強さの順序が違っていたり、全く同じ意味だよ、と言っている人も…
HiNativeで【1. Pretty、2. Quite、3. Rather、4. Fairly】と回答している人もいれば、【rather > quite > pretty/fairly】が「とても」の強さの順序と紹介されている記事もあります。
調べるほど分からなくなっていきます…

アメリカ英語(US)かイギリス英語(UK)かによっても強さが変わるようなので、この点も人によって順序が異なる理由なのでしょう。

日本語でも「かなり」「非常に」「とても」どれが一番強い言葉なの?と聞かれたら人によって違いそうです。そんな感じなのかな…とも思います。

「とても」以外にも意味を持つ単語もあるので、それぞれの程度の比較して覚えるというよりかはニュアンスや意味をしっかり知っておくことが大事なので、それぞれの単語の意味をまとめていきます。

very

説明がなくともご存じの方がほとんどでしょう。程度が大きいことを表し「非常に、とても」といった訳になります。

「とても」の訳だけじゃない?! very の意味

very USでもUKでも同じ使い方です。

ちなみに so も「とても」という意味があります。程度は very 同じで so の方がカジュアルな表現です。

pretty

「かわいい」という意味もある pretty ですが、「程度が大きい」という意味もあります。

英英辞典で見てみると quite や very が使われています。

1 fairly or more than a little

(中略)

2 very

pretty | ロングマン現代英英辞典でのprettyの意味 | LDOCE

ロングマンやOxfordの辞典を見ると、「とても」の他に「ある程度、少しより多い」という意味もあることが分かります。
そしてここで fairly が使われているので、fairly は「ある程度、少しより多い」というイメージかと思います。

この2つの意味があるとなると【pretty > rather > quite > fairly】でも【rather > quite > pretty/fairly】という順序でも考えられますね…

どの英英辞典にも共通しているのは、pretty を程度の意味で使うのはインフォーマルであり、口語的表現であることです。

quite

quite は後に使われる言葉によって意味が異なります。

good や bad など、どれだけ〇〇かといえるような言葉に使われるときは「かなり」という意味。

awful や extraordinary といった言葉自体に「とても」の意味があるものや、true や wrong といった程度を表しづらい言葉は「完全にそれだ」という意味になります。

quite はUSとUKでニュアンスが少し異なる場合があります。

US:very とほぼ同じ(very より程度は落ちる)

UK:「とても」という意味と、予想していたより〇〇なもの(「とても」というより「なかなか、ある程度」くらいのニュアンス)の意味がある

1 (British English)
(not used with a negative)
to some degree
SYNONYM fairly, pretty

(中略)

2 to the greatest possible degree
SYNONYM completely, absolutely, entirely

(中略)

3 to a great degree; very; really

quite adverb - Definition, pictures, pronunciation and usage notes | Oxford Advanced Learner's Dictionary at OxfordLearnersDictionaries.com

イギリス英語では "Quite." や "Quite so." で「賛成」を表す意味としても使われます。

quite は a few や a little (数や量が少ない)や some (いくらか)といった言葉一緒に使われている場合、意味が逆になります。

quite a few → かなりの数
quite a little → かなり大きい・量が多い
quite some 〇〇 → かなり多い〇〇

rather

rather は「かなり〇〇だからあまり好ましくない」「意外と〇〇で驚いている」という意味で捉えるとしっくりきます。
否定的・ネガティブな表現として使われることが多く、批判や落胆、驚きが含まれます。

This chicken is rather tough.

肯定的な文の場合、かなりというより、「やや、割と」くらいのニュアンスになります。

He is rather cool.

rather にはイディオムとして「rather than 〇〇」「would rather 〇〇」という表現にも使われます。この時の rather は「むしろ」という訳が当てはまります。
rather than 〇〇 → 〇〇よりむしろ
would rather 〇〇 → むしろ〇〇したい

This chicken is rather tough. I would rather eat more tender chicken.

Japanese

fairly

fairly は紹介した中では程度として最も弱いです。pretty の項目でも述べたように、fairly は「ある程度、少しより多い」というイメージかと思います。「なかなか、まあまあ」くらいのニュアンスの感じがします。

英英辞典でも「平均より多いが very より少ない」と書かれています。

more than average, but less than very:

fairly | 意味, Cambridge 英語辞書での定義

fairly はネガティブなことにはあまり使用されず、ポジティブなことを言う時に使うのが一般的です。また日本語訳では「かなり」の意味で捉えないようにすることもポイントです。

I speak English fairly well, but there are still many things I don't understand.

Japanese

褒め言葉として使ったとしても相手にとってはそんなに褒められていないように感じます。

He is fairly cool.

This room is fairly tidy.

また fairly には日本語のフェアと同様「平等に扱う」という意味もあります。

【「少し」を表すワードの違いはこちら】
【little, bit, few】「少し」を表す英語の違い